- 金融事務は難しそうだから求人に応募する勇気が出ない
- 知識も経験もないけど自分にもできるか心配
- 安定した環境でコツコツと働きたい
金融事務の具体的な業務がイメージできなくて不安な人も多いのではないでしょうか。金融事務は未経験からでも挑戦しやすい職種です。
この記事では、金融事務がきついと言われる理由や仕事内容、向いている人について紹介します。この記事を読めば金融事務のリアルな業務がわかるので、求人に応募するか見極められます。
金融事務はミスが許されない環境や細かいルール、複雑な処理が多いことが、きついと言われる理由です。しかし、金融事務での知識や経験は今後のキャリアにも役立ちます。
研修やOJTなどサポートがあるので、入社前から知識がなくても問題ありません。細かなルールを守り、ルーティン業務や新しい学びを前向きにできる人であれば、未経験でも無理なくスタートできます。
金融事務は銀行・証券・保険業界で事務を行う職種
金融事務とは銀行・証券・保険業界での事務職をさします。
- 銀行での事務(後方事務)
- 証券会社での事務(証券事務)
- 保険会社や保険代理店での事務(生保・損保事務)
どの職種も専門知識が必要です。お客さまへの商品説明やデータ管理、見積書の作成など幅広い業務をこなします。具体的な業務は、金融事務の仕事内容で紹介します。
金融事務がきついと言われる理由

金融事務がきついと言われる理由はおもに次の5つです。
- ミスが許されない環境だから
- 個人の判断で業務を進められないから
- 覚えることが多く複雑な処理が多いから
- 常に勉強が必要だから
- 女性同士の人間関係が難しいから
ミスが許されない環境だから
金融事務がきついと言われる理由の一つに『ミスが許されない環境』があります。金融機関では、お客さまの資産状況など重要な情報を扱うからです。次のように小さなミスが重大な事故につながるケースもあります。
- 端末の操作ミスで他人の口座へ振込みする
- 注文数の入力ミスでお客さまの資産に損失を与える
- 契約内容に誤りがあり、事故の際に保険金が支払われない
金融事務では常に緊張感をもって仕事をすることが大切です。
個人の判断で業務を進められないから
金融事務において個人の判断で進められる業務はほぼありません。金融事務には法律上の規制や社内規程、職場内ルールまで細かい決まりごとがあります。
各業界の法律
- 銀行事務:銀行法など
- 証券事務:金融商品取引法など
- 保険事務:保険業法、保険法など
自分のやり方で効率化することに達成感を見出す人にとっては、窮屈さを感じる環境です。
覚えることが多く複雑な処理が多いから
金融事務は専門的な知識が必要なため、覚えることが多く複雑な事務手続きもあります。
- 銀行事務:書類を隅々まで読み不備が無いように記入する
- 証券事務:金利や為替の最新情報を把握して株式の売買を行う
- 保険事務:わかりづらい約款を理解して保険金の支払い可否を判断※約款:保険のルールブック
どの業界も商品や事務の規程集に沿って処理をします。取扱説明書のような細かくてわかりづらい文章を読むのが苦手な人にとっては、苦痛を感じやすい仕事です。
常に勉強が必要だから
金融事務として働くなら、継続的な勉強が不可欠です。商品の改定や法改正などの最新情報や周辺知識を把握しておくことがお客さまからの信頼につながります。
- 最新のマーケット情報
- 資格取得(簿記、FP、宅建など)
- 業界周辺の知識
たとえば損害保険会社で交通事故の示談交渉をする場合、労災保険や健康保険の知識があった方が業務がスムーズに進められます。
知識のアップデートや勉強が苦手な人はきつく感じる仕事です。
女性同士の人間関係が難しいから
金融事務は女性がメインの職場が多いです。毎日同じメンバーと一つの場所で仕事をする金融事務は、女性同士の人間関係がきついと感じる人もいます。
- お昼休憩を一緒に過ごす
- 興味のない話題に合わせる
- その場にいない人の陰口に付き合う
女性が多い職場でも「仕事がスムーズに進めばいい」と割り切れば、気持ちが楽になります。プライベートなところまで深入りせずに、適度な距離感を保つのがおすすめです。
金融事務の仕事内容

ここでは、銀行事務・証券事務・保険事務の仕事内容を紹介します。
銀行事務は入出金管理・口座解約など

下記は銀行事務の業務の一例です。
- 預金:入出金、口座振替、口座の開設や解約
- 為替:振込みデータの確認、自動送金の契約手続き
- 融資:ローン申込み・審査書類のチェック
- 諸届:カードや通帳の再発行、個人情報の変更
- 相続:亡くなった方の口座の手続き
事務センターの場合、時間厳守の業務も多いため定時で上がれる部署もあります。
銀行窓口での接客だけではなく、バックオフィスで事務処理をメインに行う仕事もあります。窓口やバックオフィスは応募の際に選択できるケースが多いです。
関連記事
証券事務は株式や投資信託の売買注文など

証券事務のおもな仕事内容は以下のとおりです。
- 証券口座の開設の事務処理
- 株式の売買注文(受発注)
- 国債・債券の償還対応、利息支払い
- 営業社員のサポート業務
証券事務ではお客さまの資産を扱う緊張感や、不正取引を防止するための高いコンプライアンス意識が必要です。株式や投資信託などの専門的な知識が身につき、営業のサポートを通じてチームに貢献できる仕事でもあります。
関連記事
保険事務は契約募集・保険金支払いなど

保険事務には、生命保険と損害保険があります。
- 新規契約の募集、契約の更新・変更手続き
- 保険金支払い査定や示談交渉
- 代理店の事務指導やサポート
たとえば、保険金の支払い査定では、病気やケガ、交通事故に遭ったお客さまの対応をします。感情的なお客さまも多いため、冷静な対応や感情のコントロール力が必要な仕事です。
知識や経験を深めると、自分だけではなく家族や友人のライフプラン設計にも役に立つのがメリットです。
関連記事
金融事務に向いている人

金融事務に向いているのは『ルールを正しく守り、ルーティン業務や新しい学びを前向きにできる人』です。下記について詳しく解説します。
- 細かいルールを理解して守れる人
- 正確な事務処理ができる人
- ルーティン業務でも質が変わらない人
- 新しい知識を増やすのが苦にならない人
細かいルールを理解して守れる人
金融事務は決まりごとを正しく理解して、誠実に業務ができる人が向いています。自分の判断だけで進めると、思わぬ事故につながるからです。
- 指さしチェックを怠り、目視で確認したところ入力ミスが発生
- 書類の保管ルールを守らなかったために捜索が必要になった
- 電話での本人確認を失念し、本人以外に情報を伝えてクレームが発生
ルールは過去の失敗から再発防止のためにつくられています。「なぜこのルールができたのか」を理解すると頭に入りやすいです。
正確な事務処理ができる人
金融事務には正確な事務処理が欠かせません。金融機関の商品は形がなく価値が目に見えないからこそ、お客さまからの信頼が何より大切です。事務処理のミスによって、お客さまからの信頼が失われることもあります。
- 決められたルールを確実に守る
- 自分の状況を客観視する
- 常に「間違っているかもしれない」と考える
ミスが発生しやすい状況を理解して未然に防げる人が、金融事務に向いています。
関連記事
ルーティン業務でも質が変わらない人
ルーティン業務でも一定のパフォーマンスを維持できる人は、金融事務に向いています。同じ業務を繰り返していると、慣れや思い込みからミスにつながるケースがあるからです。
- 銀行事務:証明書の発行作業
- 証券事務:口座の開設・解約処理
- 保険事務:申込書や見積書の作成
チェックリストを使っていつも同じ手順で作業できるようにする、指さし確認を習慣化すると、確認漏れを防げます。
新しい知識を増やすのが苦にならない人
新しい知識を身につけるのが苦にならない人は金融事務向きです。幅広い知識が必要な金融事務では、すべて暗記するよりも、そのつど調べて処理する力が重要です。
保険事務の場合、規程集や約款(保険のルールブック)の内容を隅々まですべて覚えるのは現実的ではありません。案件ごとに自分で調べながら処理を進めます。
知識が増えていくことに楽しさを見出せる人にとって、金融事務はやりがいを感じやすい仕事です。
金融事務で身につくスキル

金融事務で身につくスキルには以下のものがあります。
- 各業界の専門知識
- 高い事務スキル
- 煩雑なことをわかりやすく伝える力
- 高いコンプライアンス意識
各業界の専門知識
金融事務として働くと、各業界の知識が身につきます。
- 銀行事務:預金、口座振替、相続、融資など
- 証券事務:株式、投資信託、国債など
- 保険事務:生保、損保など
業界の知識が身につけば、キャリアの選択肢も広がります。保険事務から銀行事務、銀行事務から証券事務など、異業種へのキャリアチェンジも可能です。
高い事務スキル
金融事務で働くと事務スキルがアップします。一般的な事務職よりもルールや手順を正しく守る意識が求められるからです。
- 複雑な規程に沿って正しく処理を進める
- お客さまの資産状況や健康状態などセンシティブな情報を扱う
- 過去の病歴や口座の残高が入った書類を郵送する
ミスが許されない緊張感の中で働いていると、自然と高い事務スキルが身につきます。
煩雑なことをわかりやすく伝える力
金融事務として働くと、煩雑な文章をわかりやすく伝える力が身につきます。日々難しい文章に触れ、お客さまにかみ砕いて説明しているからです。
- 保険約款を理解して、お客さまに保険金が支払われない理由を説明する
- 株や投資が初めてのお客さまに複雑な商品についてわかりやすく説明する
難しいことを易しく変換する力は報告書やマニュアル作成など、さまざまな業務でも役立ちます。
高いコンプライアンス意識
金融事務で働いていると、高いコンプライアンス意識が身につきます。金融事務は一つのミスが会社の信頼問題に直結することもあるため緊張感が必要な仕事です。
- 決められたルールは必ず守る
- お客さまの重要情報を扱っている緊張感をもつ
- 常に違っていないか細心の注意を払う
高いコンプライアンス意識は金融業界以外でも役立ちます。人事総務であれば社員の個人情報の管理、Web業界であれば著作権の遵守などさまざまな業界の基礎スキルとして活かせます。
金融事務に必要なスキル・資格

金融事務に必須のスキルは次の2つです。
- 基本的なPCスキル
- コミュニケーション力
必要な資格には保険募集人や証券外務員があります。
基本的なPCスキル
金融事務では基本的なPCスキルが必要です。書類の作成やお客さまのデータ管理は、WordやExcelで管理することが多いです。
- 会社の独自システムでお客さま対応の履歴を入力
- Excelでのお客さまの対応状況を管理
- フォーマットに沿って請求書を作成
高度なPCスキルは必要ではありません。WordやExcelの基本操作を身につけておくだけで、スムーズに業務が習得できます。
コミュニケーション力
金融事務ではコミュニケーション力も求められます。正確な事務処理をするためには、チーム内での連携も大切です。
- 離席中の折り返し電話を想定して内容を引継ぐ
- 不安を感じたら上司や先輩に聞く
- 人が足りていないところに応援に行く
チーム全体の状況確認、こまめな報・連・相がポイントです。相手への配慮がスムーズな連携につながります。
保険募集人や証券外務員の資格が必要
金融事務として働く際に必要な資格は以下のとおりです。
- 生保・損保の募集人
- 保険契約締結の仲介や代理を行う際に必須となる資格
- 証券外務員
- 投資信託や株式、債券などの勧誘や売買を行う際に必須となる資格
扱う商品によって必要な資格が異なります。
どちらも難しい資格ではありません。合格率について保険募集人はおよそ70~90%、証券外務員は一種が約70%で二種が約65%です。参照:外務員資格試験 | 日本証券業協会
【未経験OK】金融事務として働くには
金融事務として働く方法には、正社員・派遣社員・パートなどがあります。
正社員ならエージェントを使うのが便利

金融事務の正社員をめざすのであれば、エージェントが便利です。エージェントは、自己分析や書類作成、面接対策、企業とのやりとりなどを代行してくれます。
未経験の場合、職場の雰囲気や資格取得の支援、教育体制がポイントです。エージェントを通じて、入社後の研修内容や先輩社員によるサポートなど求人票にはない情報を確認できます。
派遣社員ならお試し就業が可能
派遣社員であれば、お試し就業ができます。『紹介予定派遣』は最長6ヶ月、職場を見極められるのが特徴です。派遣スタッフとして働いてみて、自分に合う職場だと思えば正社員になれます※。もし合わないと感じたら別の仕事を探せるのがうれしいポイントです。※派遣先企業と本人が同意した場合
たとえば東京海上日動火災保険の関連会社の『東京海上キャリアサービス』では、銀行事務や保険事務の求人を多く扱っています。

各金融機関の人材紹介会社でパートの求人を探す

パート社員として働く選択肢もあります。各金融機関には、人材紹介を行う関連会社があるケースも多いです。パート社員の募集があるかチェックしてみましょう。
パート社員の求人がある企業
金融事務によくある質問

金融事務についてよくある質問をまとめました。
金融事務と一般事務の違いは?
一般事務との違いは、金融商品を扱うことや専門知識が必要な点です。金融商品は株式や投資信託、保険、債券などをさします。専門知識や社内規程などを理解しながら事務処理を行います。
金融事務の年収は?
以下は銀行事務・保険事務・一般事務の雇用形態ごとの平均給与をまとめた表です。
| 銀行事務 | 保険事務 | 一般事務 | |
|---|---|---|---|
| 正社員(年収) | 473万円 | 425万円 | 426万円 |
| 派遣社員(時給) | 1,499円 | 1,548円 | 1,246円 |
| アルバイト,パート(時給) | 1,196円 | 1,258円 | 1,448円 |
参考:求人ボックス『損保事務の仕事の年収・時給・給料,銀行事務の仕事の年収・時給・給料,一般事務の仕事の年収・時給・給料』
平均給与を比較すると、正社員は銀行事務(年収約473万)、派遣社員は保険事務(時給1,548円)がそれぞれ高い水準にあります。
たとえば1日7時間・月20日勤務の場合
時給1,500円だと、1,500円×7時間×20日間=210,000円(手取り約16~17万円)です。
未経験でも金融事務になれますか?
未経験でも金融事務になれます。金融業界は研修やOJTなどの制度が充実している会社が多いです。入社してから専門知識を身につけるのでも遅くありません。資格取得の支援や補助金が受けられる場合もあります。
金融事務のキャリアは将来の選択肢を広げ、生活に役立つ知識も身につきます

ミスが許されない緊張感に加えて細かいルールや複雑な処理がある点が、金融事務はきついと言われる原因です。金融事務で身についたコンプライアンス意識の高さや正確な事務スキルは次のキャリアに活かせます。保険・投資などの知識は、日常生活にも役立ちます。
入社前に専門知識を身につけておく必要はありません。入社後の研修や職場のOJTで身につければ十分です。細かいルールでもしっかりと守り丁寧に処理ができる人であれば、未経験でもスムーズに業務に馴染めます。正社員をめざす人は転職エージェント、自分に合う仕事なのか確かめたい人は派遣から始めることを検討しましょう。


